旅と、ごはんと、それから私

1988年生まれ理系女子による旅&ごはんブログ。「いってきます」と「いただきます」を楽しみに生きています。

【ワーホリ】カンタベリー地震を想う

2011年、日本でも東日本大震災があった年に、クライストチャーチでも大きな地震がありました。今回はその足跡を辿ります。

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現在地はクライストチャーチ

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日本人の被害者も多数出た大地震だったようです。私自身も幼い頃に阪神淡路大震災を経験した身なので、他人事ではないし、経験したからこそこの目でしっかり見ておかなきゃという気持ちでいました。


8年経った今、クライストチャーチの街並みはわりと回復している印象でした。

現在では、新たな街のシンボル的な教会としてトランジショナル大聖堂(Christchurch Transitional Cathedral)が建てられています。

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実はこの大聖堂、日本人の建築家・坂茂さんがデザイン、建築したそうです。
ステンドグラスもきれい。

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この大聖堂は、倒壊した大聖堂の代わりに仮設として建てられたようなので、数年後にはなくなってしまうのだと思います。今だけ存在する、期間限定の美しい教会。

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そしておもしろいのが、この屋根に使われている柱が紙でできているということ。
そのため、別名「紙の教会」とも呼ばれています。

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よく見てみると、柱は巨大なラップの芯みたいになってます。トイレットペーパーの芯もこんな感じですかね。

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強化されているとはいえ、紙で屋根が支えられるなんて、すごいとしか言いようがないですね。
でも日本も災害時の避難所に段ボール製のベッドを設置していると聞いたことがあるので、紙は案外可能性を秘めている素材なのかも。建築や物理の法則についてもっと詳しく勉強したい欲が湧いてきました。

ちなみに十字架も紙製でした。

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そして街の中心へ行くと、まだ地震の影響で崩れたままのクライストチャーチ大聖堂(Christchurch Cathedral)が佇んでいました。

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ここだけはなぜか今でも修復せず保存してあるんです。
地震の記憶を風化させないためなんでしょうか。それともただ単に修復費がないからこのままなんでしょうか。なんだか悲しいような、寂しいような。

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でもこのボロボロの大聖堂は、夕日を浴びながら街を静かに見守ってる感じがしました。

下の写真は地震の前に撮影された大聖堂です。
正面向かって左側にある尖塔が完全になくなってるのがわかります。

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こちらは街中にあった修復中の建物。
ニュージーランドはただの道路工事でさえかなり時間がかかる国なので、この建物もいつ修理が完了するのか未定なんだと思います。

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最後にアースクウェークナショナルメモリアル(Earthquake National Memorial)の碑を見に行きました。

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犠牲になった人の名前がこの壁に刻まれています。

日本人や中国人の名前もたくさんありました。亡くなったのはニュージーランド人だけじゃないんですよね。でもそれは日本で起きた地震も同じなはず。私は今まで地震の被害にあった外国人のことを考えてこなかったんだなぁと反省しました。

そして、何をもってして「完全なる復興」というのか。
建物が全て修復されて美しい街に戻っても、人々が負った心の傷や、家族を失った悲しみはいつ癒えるのだろうか…と、お供えされた花を見ながら考えていました。


地震の怖さは身をもって知っているつもりです。でも、いつどこで起こるかわからない。
だからこそ、今を精一杯生きる必要があるんですよね。

空を見上げると、薄い月が木々の向こうからこちらを見ていました。

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しんみりした気持ちでいながらも、明日もたくさん旅を楽しむぞ、と心に誓って帰路につきました。


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